弁当屋

第29話

男とはあまり関わりたくない。

そう思っていたのに、どうしてあんなにも薫と会話をしてしまったんだろうとバスに揺れながら考え込む。


多分、おばあちゃんとおじいちゃんの知り合いだから。全くの他人ではないから。

だからあんなふうにお茶をお礼として渡したのだろうと、自宅最寄りのバス停につく頃には自己解決していた。





「あら、あなた明日香ちゃん?」



家の前に、1人の女性がいた。

その人はおばあちゃんぐらいの60歳程女性。



誰···?



この2日間で同じことを三度も思ったのは生まれて初めてかもしれない。二度あることは三度あるとは、よく言ったものだと思う。


薫、聖、そしてこのお年寄りの女性。

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