第26話

それぐらいに来ると思うと、だいたいの「五分」口にする。


「そう」



そうって···。

って、あれ?



「急いでるんじゃないの?」



腕時計を見て眉間にシワを寄せたぐらい難しい顔をしたのに。



「家に帰ったら間に合わなくなる」



それって···



「バイト?」



聞く私に、薫は「そう」と返事をしてきた。


そういえば、と。昨日おばあちゃんが言っていたのを思い出す。

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