第6話
あ、あたしの鞄···!!
うろたえる私をよそに、自転車の籠の中に鞄を入れた薫は再度自転車に跨った。
「ちょ、ちょっと、返してっ」
「早くしろ。体調悪ぃんだろ?」
そ、そうだけど。
後ろに乗るって事は、凄く近い距離に男がいるってこと。そう思うと乗るのに戸惑うのは当然で。
「明日香」
────ドクン、と、胸がなった。
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