第4話

おばあちゃんとおじいちゃんを知っているこの人は、薫というらしい。


「あー、聖、先行っててくれ」


どうやら彼の友達の名前は聖という名前みたいで。




「あ、あたし、大丈夫ですからっ···」



ふらつく頭をおさえて、横に置いてあった鞄を持ち直し、ゆっくりと立ち上がった。

薫と呼ばれた肌の黒い男の人に軽く頭を下げて、歩き出す足は自分でも分かるぐらいガクガクと震えていて。



「大丈夫じゃねぇだろ」



私よりもはるかに大柄な男は、そう言うと自転車をおりて私の方へと歩み寄ってきた。

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