第30話

それはとっても、残酷な最期。


体が、震える。



「この場所を教えてくれたのは、その瀬尾頼」


「え⋯?」


「陽向、キッズケータイ。持ってるよね?」




キッズケータイ⋯。

ピンク色の。

1つしか登録されていない番号。

監禁部屋で渡されたもの。



まさか。



「⋯GPS?で、でも、違う!ずっと電源切ってる!!使えるはずない!! 」


「陽向」



私は慌てて立ち上がり、引き出しからそれをだす。真っ黒なその画面。全然、全く、使ってない。



「陽向、普通の携帯なら、電源を切ればGPSは使えない」



落ち着いた口調が、耳に届く。



「けど、キッズケータイは別だよ。種類によるかもしれないけど、電源を切っても、作動する」




作動する⋯?


GPSが?




「瀬尾頼が敵側なら、ずっと居場所が分かっている陽向たちを殺しにくる。 でも、来ない。 それは俺達の味方だからだよ」


「ちょ、ちょっと待って⋯」



頭がパニックになる。

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