第26話

「それより、世那さんは、どうやってこの場所を?」



私は顔を傾けた。

世那はうん、と落ち着いた声をだす。



「ある人から聞いた」



ある人?

誰?

ここにいることを知ってる人が、いるはずない。



「誰⋯?」


「ねぇ、陽向」


「⋯誰なの」


「戻ってこない?」



世那の強い瞳が、私を見つめてくる。


戻ってこない?

それは、魁輝の所に。

この場を離れて。



それはできない。

できるはずない。


東もいる、頼もいる。

私の居場所をバレる訳にはいかない。



いや、それよりも⋯。

ルイとヒカルが、海吏を大好きだから。

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