第4話

私はまた自分の手のひらで、口許をおさえる。



しばらく私の中を翻弄した海吏は、ようやく動きをとめ、私の口許から手を外してきた。


そして唇を重ね、私の熱くて我慢していた吐息が消えていく。



「イってい?」



海吏がそう言ってきたから、私は頷いた。



「好き⋯、名前呼んで」


「海吏⋯」


「もっかい」


「海吏」



海吏は私をもう一度布団へと沈め、私の顔の両側で私の手首を押さえつけた。


口許を手で塞がないようにした海吏は、その瞬間、激しく動く。



「まっ、⋯あっ!」



ああっ!と、私が体を震わせた瞬間、ゴム越しに海吏の欲が伝わってくる。



はあはあと息を乱す私は自分の最後の声に慌ててルイ達を見た。



眠っている姿を確認した私は、海吏の方を睨みつける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る