第3話

声を抑えている分、体が敏感になるせいか足がシーツを蹴ってしまう。


火照っている私の手を、口許から遠のけた海吏は、そのままゆっくり中へと入ってきた。



「ん、っ、〜〜っ⋯」



深く重ねるキスをされ、私の声が海吏の口の中へ消えていく。やっぱり距離がもどかしいのか、私の体を起こし、対面で座りながら繋がっている私の背中に腕をまわし、唇が離れた瞬間、「はあ⋯」と色気のある吐息を彼が零した。




「⋯も、普通に起こして⋯」


私は、動きを止めた海吏の耳元で呟いた。




「ごめん」


「ど、したの⋯?」


「めっちゃ⋯ひなにさわりたくなった」


「そっか⋯」




不安になったのだと、すぐに分かった。





私はちらりとルイを見た。

可愛いルイは口をあけて爆睡している。




「大丈夫、寝てるから」



海吏はそう言って、ゆっくり動き始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る