第28話

異常性癖を持っている、男達に⋯。




少し、ほんの少しだけ冷静になった私は、「あ、あなたは⋯?」と、口にする。

きっと、私の予想が正しければ⋯彼女は⋯。



「ゆ、結乃(ゆの)⋯と、言います」



結乃は、きっと、


定期的にくる、女の子。




「あ、あなた⋯、ろ、廊下で、倒れ⋯てて、どう、すれば、いいか、分からなくて。この、へやに、連れてきました⋯」




恐る恐る口にする結乃は、視線を下に向けた。ふわふわとパーマかかった髪が、ボサボサに乱れていた。酷く怯えた顔つき。


その光景は、私がメビウスにいた当時そのもので。




廊下で倒れていた⋯?


私が?


メビウスの、廊下で?



―――どうして。




あの時、背後から突然襲われた私は―――⋯

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