第26話
私はベットで眠っていたらしく、隠しきれないほど震えた手で、鍵のかかっている窓を、開ける。
どうか間違いだと、
夢なら覚めてと思いながら、鉄格子にふれ。
指先がそれにふれた瞬間、現実だと実感した私は、「な、んで⋯」と今度こそ声を出し。
「なんでっ、」
その鉄格子をゆらし、ガタガタと外そうとしてもそれはビクともしない。
嘘だ嘘だ嘘だ⋯っ。
なんで、また、この建物にっ⋯!!!
過呼吸を起こしそうなほど息が乱れ、肩を震わせていた刹那、
「し、静かに、静かにして、ください⋯!」
背後から、そんな声が聞こえ、ビクっと、体全身が揺れた私は勢いよく後ろに振り向いた。
目を、見開く先にいたのは、男⋯⋯ではなく⋯。
「み、みつかり、ます、静かに、して⋯」
私以上に体を震わせた女の子がそこにいて。
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