第30話

「—―俺だ。蓮から律の居場所が分かったって連絡が来たから向かう。お前らは後から合流で」



まとめるのは凪に任せるとして、私は先に向かわないとね。

場所は…○〇区にある○〇ビルね。


黒狼のアジトの可能性も無くはないけど、律の救出が最優先事項だ。


律の監禁場所は学園から近い距離にあったようで、下校中の学生たちが目に入る。

正面から堂々と入るか、窓から入るか…窓で行こう。


タンッ


「よいしょっ」


意外に低い塀だな。

ビルを囲んだ塀を乗り越えて、近くの窓へ向かう。


あれ…?窓開いてるじゃん。


開いてなかったら蹴りでも入れようと思ってたけどそんな心配は必要なかったみたい。

律がいる部屋は一体どこなのやら。


このビルの構造は地下を含めると4階建てかな。地下から攻めるのもありだけど、とりあえず一階かな。

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