第29話

『混んでて遅れそう!あと10分ぐらい!』



お母さんからの連絡を見たのは、学校の校門を出た時だった。いつも待っているお母さんの車はそこにはいなく。



『ゆっくりでいいよ』



と返信した私は、いつもお母さんが迎えに来てくれる歩道で、誰の迷惑にならないように待っていた。




そこから見えるのは、道路を挟んだ先にある、古い車屋さん。


病院であった日から3日経っていた。



その3日間、たまに視界の中にお店は入ってくるけど、その人は姿を見せなかった。



ぼんやりとそのお店を眺めている時、車を整備しようとしているのか、1人のツナギの作業着を着た男性が、車をさわり始め。



40代、ほどの男性。



どこからどうみても若くないその男の人は、蛍では無く。

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