第24話

高校を言い当てられた私は、驚くというより、戸惑っていた。




「俺、その学校の前の車屋で働いてんの。多分、そん時に見たんだわ」



蛍は枯れた声で思い出しながら、私に言う。


学校の前。

車屋。



ある、確かにある。


学校前、道路を挟んだ斜め向かいにある車屋。


そこは確か、修理を専門としている雰囲気があったような気がする。



そこで働いてる人?


世間は狭いと、少しだけ、実感し。




「また会ったら、声かけてくれよ」



そう言った彼は、やっぱり笑っていて。


喉が枯れていた。

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