第28話
「いだだだだだっ!!??離せぇえええええっ!!」
「あたしの名前はコイツではないわぁああっ!!」
「知ってる!!知ってるぞ、マツリ!!だからリンをっっ王子を離せっ!!」
「マツリさんっ!!リンがっ、王子がハゲるっ!!」
「…………」
「ちょっ、リリッ!!笑ってねぇで助けろっ!!」
「お前の罪をハゲて詫びろーっ!!」
「なんでだよっ!!」
罪ってなんだっ!?とあたしに髪を鷲掴みにされ喚く王子。
それでもあたしは王子の毛を離さない。
それを必死に剥がしにかかる……
ゴリラッ!!
ゴリラの力が強いがっっ!!
離してなるものかーーっ!!
「いだだだだだっーーーっ!!ハーゲーるぅうっ!?」
「「「「!!??」」」」
急に重々しい音楽が鳴り出した。
これはっっ!!
「危ねぇっ!!」
「のあっ!?」
突然、王子が真剣な表情で覆い被さってくる。
その上を錆びた大剣が通り過ぎていく。
うぉおおおっ!?
あのままあそこに頭があったら首と体が離れていた!!
いつの間にか戦闘が始まっている。
……もしかして王子、庇ってくれた……のか?
「……マツリ!!下がってろっ!!」
おおっ!!
コイツからマツリになった!!
マツリのテンションが130上がった!!
あたしがウキウキになってる間に、リャート・ゾイド・ガラ・リリ嬢があたしを庇うように前へ。
ほぉおおおおっ!!
これはあたし姫みたいっって!!
……………………。
……………………。
王子、ごめん。
数秒遅れて
「いだぁああああああっ!?ちょっハゲてね!?後ろハゲてね!?」
「「「「……………………」」」」
「なんで黙る!?」
「「「「……………………」」」」
「視線を逸らすなぁぁぁぁっ!!」
あたしの手には王子の真っ赤な髪の毛が大量に握られていた。
こっこれ、回復魔法でなっ……治るかな……??
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