第27話
女の相手など慣れていたはずなのに、
ただ声をかけるだけなのに、
その一瞬、今までにないほど緊張している自分がいた。
突然話しかけられて
女も緊張しているのがわかった。
名前を聞く俺に、困惑しながらも名前を教えてくれる。
「…イズミ……です」
……イズミ……
ようやくわかった名前に自然と口元が緩んだ。そんな俺を見ていたイズミの目からも緊張が消えて、キラキラした興味が浮かぶのがわかる。
「そうか。俺は祐樹」
「祐樹…さん?」
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