第6話

時々…

無性に寂しくなる時があった。




その心の隙間は、何をしてでも埋まることはなかった。




そんな俺が大学に行こうと桜が満開に咲いた並木道を歩いているとき、1人の小さな高校生を見かけた。




俺の通っていた大学の近くにある、少し評判の悪い高校。




女の子はその高校の真新しい制服を着て

携帯電話でだれかと 話をしながら俺の少し前を歩いていた。




身長はたぶん、150㎝弱。制服を見なければ高校生に見えないだろう幼い顔に、綺麗な髪の女の子。




俺の目を釘付けにさせたのは、その顔だったのか、優しく響く柔らかい声だったのか……

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