第5話

大学に入学して2度目の春が来た。実家の事はバレる気配もなく、比較的平和な学生生活を俺は送っていた。




そんな一時の平和の中でわかった事といえば、やはり俺は普通とは違うと思い知った事だった。




やくざの息子だと知らなかったとしても、周りの反応にたいした変化はなかった。




俺が纏っている空気の所為なのか、男からは畏怖の目で、女からは媚びを売るように見つめられた。




男女共に同じなのは、その瞳に同時に恐怖の感情が覗くことだ。




そんな瞳にも、もう慣れたし、他人にどう見られようとも気にしなかった。




…けど…

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