Maneuvers 策動
煌哉ポイント
第1話
「あれあれ、今日は姫ちゃんは?」
なんて陽気に話ながらVIPルームに入って来た恵。
「うぜぇ。」
不機嫌に銜えていた煙草をもみ消して恵を睨み付けた。
「うわぉ!超不機嫌じゃん。」
肩を竦めてソファーへ座った恵。
「今日、姫が用事で来れないから機嫌悪いんだよね。」
俺をチラッと見てクスリと笑ってそう言った恭弥。
ソファーへふんぞり返ると腕組みをして目を瞑った。
都姫は、今日はじいさんの誕生日会があるとかで、来れねぇ。
まぁ、それは仕方ねぇが・・・・・。
あいつが居ねぇとつまんねぇんだよ。
あの日から、もう1ヶ月が経とうとしていた。
神代佐由美と対峙したあの日から。
都姫の牽制のおかげか、あの女が飽きたのかは分からねぇが、あの日以来神代佐由美はCLUBには来ねぇ。
親父のくだらねぇ呼び出し無くなった。
あまりにも静かなこの1ヶ月。
気味が悪いのも事実で。
ま、都姫と静かに過ごせりゃ後はどうでも良いけどな?
もちろん、神代や親父に対する対策も取ってる。
一泡ふかせてやるためにな?
あいつらの思う様になんてさせてやらねぇ。
「なぁなぁ、もうすぐ夏休みじゃね?皆で海に行こうぜ。」
こいつは、相変わらず呑気だ。
「恵は呑気だね?」
恭弥も同じ事を思ったらしいな。
「だってよ、せっかくの夏休みだぜ?しかも、俺ら高校最後の夏休みじゃん。」
まぁ、恵の言うのも一理ある。
海か・・・・・生の都姫の水着姿。
それもいいかとほくそ笑む。
恭弥経由で回ってきた、沖縄で撮影された都姫の水着姿の写真は、今でも俺のスマホの待受で。
この前、危うく都姫に見つかりかけた。
絶対に見つかんのは不味い。
消せとか騒ぎそうだろ?あいつ。
変態とか言って絶対に喚く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます