第4話

影虎を、信じてない訳やない。






それでも怖いと思うのは、暖かさを知ったから。






影虎の温もりを知ってしまったからや。








あいつの腕の中は暖かい。







うちが安心できる場所。









影虎はうちに居場所をくれた。





それは影虎の腕の中だけやない。








チームCROWもそうや。







あそこは暖かい。





楽しくて、居心地のいい場所。







うちにとってチームCROWは、大切な仲間と大切な愛しい人が居る場所。









あの場所に居られなくなったら・・・・うちは。















それでも、うちは伝えよう。





それが未音との約束や。









ごめん、未音。






自分の事ばっかりで、忘れてた。







未音との約束、守らんとあかんな?










あかん、何をウジウジ考えとったんやろ?







そうやん、うちがあの街に行った理由を思いだせ!








うちを生かしてくれた未音への恩返し、まだしてへんやん。










【ガタンッ】




立ち上がると、椅子が音を立てた。








「よし!行こう。うちの原点になる場所へ。」





そうや、病院に向かおう。





皆が待ってる。







そして、昔の内が待ってる。








そこで、覚悟決めよう。








たとえ、どんな結果が待ってたとしても。







うちは前を向いて進まんと、未音に叱られる。








うちは胸元をギュッと握った。







この心臓、大切にしながら生きなあかんよな?










うちの中で何かが変わり始めた。









闇に包まれてた心が、少しずつ晴れてくる。

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