第31話 焦りという名のプレッシャー

焦りという感情に、僕はいつも追い立てられているような気がする。何かをしなければならない、何かを成し遂げなければならない、そういった焦燥感が心の中に渦巻いている。それは、周りの人たちと比べることで生じることもあれば、自分自身の中で勝手に生み出してしまうこともある。


周りの友人たちは、仕事で成果を上げたり、プライベートでも順調な生活を送っていたりする。それを見ていると、どうしても自分が置いて行かれているように感じてしまう。みんなが先に進んでいるのに、自分だけがその場に取り残されているかのような感覚に襲われるのだ。


僕は、周りの人たちが当然のようにできることが、どうしてもできないことがある。例えば、時間の管理や仕事の段取り、日常の些細なことさえも、なかなか思うようにできずにいる。それが積み重なることで、「自分はダメなんじゃないか」「もっと頑張らなきゃ」と焦る気持ちが膨らんでいく。


焦りの感情は、僕にプレッシャーを与え続ける。何かをやらなければならない、誰かに追いつかなければならないという感覚が、心の中でいつも鳴り響いている。けれど、その焦りが強くなればなるほど、体はどんどん動かなくなっていく。頭では「やらなきゃ」と思っているのに、体がそれについてこないのだ。


そんな時、自己嫌悪に陥ってしまう。なぜ自分はこんなに無力なんだろう。どうしてみんなのように、スムーズに生活できないのだろうと、深く落ち込んでしまうのだ。周りと比べて、自分を否定することで、ますます焦りが強くなり、その焦りが自分自身をさらに追い詰めてしまう。


それでも、少しずつ気づいたことがある。焦って何かをしようとすると、ますます自分のペースを見失ってしまうということだ。焦りは、自分にプレッシャーをかけるけれど、そのプレッシャーが僕を縛り付けてしまい、かえって何もできなくなってしまう。


焦らずに、今の自分ができることを少しずつ積み重ねることが大切なんだと思う。周りのスピードに追いつこうとするのではなく、自分のペースで歩んでいくこと。それは簡単なことではないけれど、焦りに振り回されず、自分自身を大切にすることが、結果として前に進むための一番の方法だと思う。


焦りは、目に見えないプレッシャーだ。それは、僕自身が作り出していることもあるし、社会から無意識に与えられていることもある。けれど、その焦りに飲み込まれてしまわないように、少しずつでも自分のペースを見つけたい。


僕は、焦らずに生きることが本当に難しいと感じている。周りのスピードに圧倒され、自分の進んでいる道が間違っているのではないかと不安になることもある。けれど、誰かと比べるのではなく、今の自分ができることに集中することが、心を落ち着けるための大切なステップだと思う。


焦りに振り回されず、自分を見失わずにいられるように。今の自分ができることを少しずつ続けていきたい。焦りに打ち勝つのではなく、焦りを受け入れ、その中で自分のペースを見つけていく。それが、僕にとっての前向きな生き方なのかもしれない。


焦る気持ちが湧いてきたときは、深呼吸をして、少し立ち止まってみる。そして、自分に問いかける。「本当に今、焦る必要があるのか?」と。その答えを見つけることで、少しずつ心の中のプレッシャーを軽くしていけたらと思う。


これからも、焦らずに自分のペースで歩んでいこう。どれだけ遅くても、自分の足で前に進むことが大切だと思うから。焦りという名のプレッシャーに負けず、自分の道を見つけ続けたい。

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