第20話

もしかしたら泣くかもという俺の予想を裏切って、優しそうな顔に似合わず、こちらを鋭く睨みつけている。




女は何も言わなかったが、その目が口程にものを言っていた。




少しも怖がられなかったことと、予想外の女の反応に驚いていると、後ろの方から冷気が漂ってきて背筋に冷たいものが走った。




「…翔、どうした?」




やばい、

やばい、

ヤバい!!!




この場にいてほしくない人物のNo.1の声がして、焦りと恐怖に嫌な汗が流れる。




恐る恐る後ろを振り向くと、もちろんそこには一路さんの姿があって。

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