第28話
近づいて行って隣に座り込み、祐樹の横顔を見つめる。
「ねぇ、なんで…」
「そんなことより、
これ渡しとく」
あたしの言葉にかぶせるように口を開いた祐樹が、テーブルの上に置かれた鍵を渡してきた。
「この鍵って…」
受け取った鍵を見て、祐樹に視線を向けた。
「この部屋の鍵」
そう言うと祐樹は濡れたあたしの髪を指に絡めた。
「引っ越して来いよ。いつまでリョウのマンションにいるつもりだ?」
いつまでって…
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