第31話

『ほんと、悪いな。着いたら電話してくれ』



「了解」




電話を切ると、今度はタクシー会社に電話して、マンションまで来てもらう。



デニムのパンツにカーディガンを羽織り、財布と携帯と時計だけを持って、玄関を出た。





20分ほどで来たタクシーに急いで乗り込む。



「どこまで?」



「歌舞伎町のBLUE MOONまで」




目的地を伝えると、タクシーは走り出した。



取りあえず、ホッと息を吐き、背もたれに寄りかかる。

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