第30話

「もしもし」



『あっイズミ?良かった出てくれて…』



向こうからは少し焦った亮太兄の声が聞こえる。



「どうしたの?」



『悪いけどちよっと忘れ物届けてくれない?』



「いいよー」



眠れなかったしちょうどいいや。



『キッチンのカウンターの上に、時計置いてあるだろ?』



見に行って見ると、ゴールドの高そうな時計が置いてある。



「ゴールドの高そうなやつ?」



『そうっそれ!店までタクシー乗って来ていいから』




焦る声も、忘れ物をする亮太に行くも珍しい。



小さく笑いながら、お世話になっている亮太兄の役に立てるのが嬉しい、、



近くに置いてあったメモ帳に店の住所と名前を書く。

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