第15話

そんな会話から始まり、いつものような他愛のない話は続いた。

そして、一時間くらい話した頃。

会話は弾んでいたけど、ちょっと辛そうになってきた私を察してか光希は、



「あっ、そろそろ帰るね。体調悪いのに、ついつい長く居ちゃってごめんな」



と言い、腰を上げた。

だけど最後に聞きたいことがある。



「ねえ光希、昨日行こうとしてたとこってどこなのー?」


「あー、あれね。ん…秘密。やっぱ行った時にびっくりさせたいからさ。まぁほら、来年の…あぁ、次回の記念日に行けばいいし」



付き合ってちょっとしての初デートは、約束通りディスティニーシーに行った。

新しいアトラクションができてすぐだったからちょっと混んでたけど、ホントに楽しかったよね。


去年の記念日は土曜日で、ディスティニーランドに行った。

ハロウィンのイベントも例年より力を入れていて、これもすっごく楽しかったね。


さすがに今年もまたシーやランドって事もないだろうし…

サプライズだって言うくらいだから、簡単に想像出来るとこじゃあないんだろうけど…


一体どこに行くつもりだったんだろう。



「ねぇねぇ、どこに行くつもりだったのー?気になる気になるーっ!どこどこどこー!」


「あー、言っちゃったらつまんないもん。行った時の驚く顔が見たいし、その日までは絶対に言わないよ」



…んー、だめかぁ。


こうなっちゃうと、光希は絶対に言わないからなぁ…あきらめよう。

うー、一年間、もやもやし続けるのかぁー。

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