第13話
目を開けてみる…
窓から射し込む光があまりに眩しく、目を細める。
眩しさにも目が少しずつ慣れ、見えてきたのは…心配そうに私を覗き込む、母の姿だった。
「お…お母さん…」
「紗織、気分はどう?」
「うん、ちょっと頭が痛いけど…大丈夫だよ……あ!」
…ふと嫌な予感が頭をよぎる。
「お母さん、今日って何日?あ、今何時!?」
悪い予感は的中。
「今日は8日の月曜よ。今…午前10時をまわったとこね」
あの倒れる間際の最後の記憶から約一日半、36時間が過ぎてしまっていた…らしい。
記念日が…終わっちゃったよ…。
あんなに楽しみにしていた日が、既に過ぎてしまったという信じられない事実。
体調を崩した自分を呪う…。
「あ、紗織、ついさっき…二時間くらい前まで、光希くんもずっと付き添っててくれてたんだよ。土曜の晩からずっと…」
「えっ!?そうなんだ…」
記念日を台なしにした上、心配もかけてしまったね。
とにかく謝らなくちゃ。
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