第9話
「いかがでした? アイリッシュシチューは」
「とっても美味しかったです。ごちそうさまでした」
お代わりはやはり断られてしまったが、カロリー多めで出したので昼食のノルマはこなした。実ノ里には大ウソの栄養表示を見せてある。
「では次は事務手続きお願いします。
入院に必要な書類があるので、全部サインお願いします」
シチューの皿を下げて、枚数の多い書類を出す。
「すみません、ウチはややこしい仕組みでして書類が多いんです」
言いながら実ノ里が内容を読む暇を与えず、次々書類をめくって指でさしてサインさせる。
「ありがとうございます。念のため、1週間は入院してくださいね」
言ってクローブが持って行った書類には……住んでいたアパートの退去とクローブ宅への引っ越しに同意するもの、婚約に同意するもの、それらに基づき生活保護の解除を市に要請するものが含まれていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます