第2話

(コウサキ、ミノリ……)

 やっと18歳になったばかりのクローブ・オブライアンは、知ることのできた彼女の名前を噛み締める。

 配偶者はもちろん、彼氏も居ないと言ってた。ならばチャンスはある。


 スマートウォッチから操作し、スマホにダミー着信を鳴らさせる。待合室の端に行き、

「はい、分かりました。至急」

 通話したふりをしてから急いだ様子で受付に行き、

「すみません、急ぎの仕事が入ったので今日の診察申し込みを取りやめたいのですが……」


 撤収し、駐車場で待たせている車の方に向かった。

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