第6話
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「好きな人に振られた」
泣きながらへらりと笑ってみせる。
というか、好きな人に振られたくらいで泣くようなたまじゃないでしょ?
「振られたから泣いてるの?」
「ちげぇ。その子過去にすげー辛いことがあったらしくてさ、そんなでけーもん背負って生きてきたんだなと思うと涙が止まんなくなった。
できれば俺がその子の辛さとか拭ってあげたかった。一緒に辛さ背負ってやりたかった。
まぁ…、その子には既に辛さを拭って背負ってくれる奴がいるんだけど。」
羨ましい。
とっさにそう思った。
こんなにも修一に想われてる女の子が羨ましい。
「そっか。」
あたしは敢えてその子が誰なのかは聞かなかった。
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