29・学校生活

第29話

「ねぇー、紅露。カラオケ行こうよ〜」

「……」

「……」


登校中に茜さんに出会でくわした。


まぁ、同じ学校だから出会すのだけどもわざわざ私と紅露の間に無理矢理入り込む事なくない?


「……」


朝から言い合うのも面倒くさいから私は一歩下がって歩いてる。


そんな私を見た紅露は、右手を後ろに回して私と手を繋いで歩いてる。


「歩き辛いでしょ?だから大丈夫だよ?」

「俺が寂しい。霞は俺の側に居るのが前提だろ?」

「……っ」


紅露はに言っているのか霞さんに向けて言っているのか…分からなくなる。


「霞?」

「なんでもないよ」


慌てて繕っても紅露には分かってると思うけど無理矢理笑って答えた。


「!!」


携帯が急に震えてビクッと体が反応して紅露の手を離した。


「霞?」

「携帯が振るえたから見ていい?」

「勝手に見れば〜」


茜さんの言い方はちよっとって思うけどスルーして携帯画面を見る。


「?」

『ログインでダイヤがGET!今すぐ逢いに来て』


ログイン?ダイヤ?


その表示が出たから画面を押そうと思ったら視界から携帯が、消えた。


「!?」

「これは気にしなくていいよ。霞」

「紅露っ」


茜の腕を振り解いて私の所に来て私から携帯を取り上げた。


「霞、行くよ」

「あっ、うん」


紅露は何か操作して私に携帯を渡してもう一度手を繋ぎ学校に向かう。


「なんか前にも増して紅露過保護じゃない〜?」


茜さんが怪しんだけど何て答えていいか分からなかったら、紅露が答える。


「霞は俺の女だし過保護になるのは当然だろ?」

「……」


恥ずかしい台詞をサラッと言ってしまう紅露に恥ずかしくなるのと嬉しくなる。


これが私に向けられた言葉ならもっと嬉しいだろう。


「じゃあ私も紅露の彼女〜」

「ウザイ。消えろ」


茜さんが腕を絡ませようとして拒否した紅露。


こんな光景を、霞さんはいつも見ていたのだろう。


それを私が奪ってしまった。


「霞?」

「なんでもない」


今、私は霞。


紅露の為に心が痛くても笑って。


「……」


紅露が私の作り笑いをジッと見ていたのを気付かなかった。


学校に着いて席に着き授業が始まる。


先生と一対一で受けていた記憶より皆んなと一緒に勉強出来る今の世界に幸せを、感じる。


「霞、次家庭科?」

「うん」


休み時間になり友人に声をかけられる。


家庭科…私の好きな刺繍作品が展示されてる場所に行ける事に胸が高鳴る。


「霞、気をつけるんだよ?」

「紅露も頑張ってね」


次の授業は紅露は体育になるので分かれる。


リリナーアとして楽しんでも良いよね?

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