第5話

「おはよー、お兄ちゃん」


「…おはよ…ふぁ…」


妹の澪香と言葉を交わしながら欠伸を噛み殺す



「お兄ちゃんってば昨日も遅くまで勉強してたでしょ」


「仕方ないだろう?受験生なんだから」


付属の大学には行かず外部受験を決めた俺


それは1年のときから決めていたこと


「陽南ちゃんはそのまま高宮の大学でしょ?」


「うん。もう学内推薦はもらえたから、あとは面接にパスすればOKなの。はい、夏輝。コーヒー」


家族同然の陽南は、毎朝俺にコーヒーを入れる


「サンキュー」

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