第21話

それからほぼ毎日、彼が練習するところを見に行った


真剣に、だけど楽しそうに野球をする芹沢君から


目が離せなくなってきていた


だけど、それを恋だと理解するまでにさらにしばらく時間がかかった


恋がしたいって思ってはいても、そんなに簡単にすぐに、他の人を好きになるほど器用じゃない


だから、彼を見かける度にドキドキしたとしても


これは気のせいだと、自分の心に無理やり鍵をかけてしまっていたのかもしれない



別に恋をしたくないわけじゃないのに、なぜか…素直に彼を好きなんだと、認めることができなかった


正直、今まで好きになった人とはまるで違うタイプだったからかもしれない

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