第26話

『…お前、本当になにも知らないんだな』


『なに、を』


舌打ちが聞こえてくる。


と同時に、奴が本当に気に食わなそうにしているのが伝わってきた。




『俺はお前が嫌いだけど、俺はお前に傷ひとつ付けられない』




その言葉に私はスっと、目を細める。





『だから、間接的にお前にはもっと傷ついてもらわないと』


『ちょっと、みやび、話が…』



『○○港の、第三コンテナ倉庫』


『は?』


『アンタが、NiGHTS連中の居場所教えろって聞いてきたんだろ。あぁでも、もう魚の餌になっちゃってるかもね』


ー…○○港第三コンテナ倉庫



その場所の名前は私も十分知っている


ここからそう遠くはない、小さな漁港近くにあるコンテナ街


會澤会の所有物である


公には出来ない海外での闇取引き等に偶に使われている場所だ



『みやび、なんでそんな場所を知っている』



會澤会管轄に、そう易々と外部の人間は使用できない


それとも、管理対象でもない場所だから外部の人間が使用しようと黙認できるエリアなのか


『まぁ、ちょっとした協力者』


協力者がいて、こんな場所を?

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