第25話

『夏目波玖に流した拉致ったNiGHTS連中の居場所の情報、あれフェイクだよ』


『どーいうこと』


『んな事に気づく余裕すらなかったんじゃねーの?夏目波玖はその情報をそのまま富浦亜貴へメールで流してるしな』


いつものハクならそんな事、直ぐに気づきそうなのに


いや、そんな時間さえなかったんだ




『計算外だったのは、夏目波玖だよ。あんな情けかけるような真似して他人を庇うなんて驚いたけど、

アイツ、キングにご執心なようだし』


『あんたって、最低』


『なにそれ褒め言葉?悪いけど、夏目波玖の居場所は教えない。あいつの持ってるもの色々面白そうだから俺はいいようにそれを使う』


この男、他人を傷つけるのに、躊躇いなどない


どうにかして…ハクを、


最も、この電話がハクを取り戻せるチャンスなのに



『みやび、ハクじゃなくて、私を利用して。私の家の事知ってんなら、それを利用してなんでも目的達成したらいい』


あの家の権力をもってしてならなにも難しいことは一切ない。


悔しいが、今電話でできる取引内容としてこれしかない。


けど、


『ダメだな、メリットの方が少ない。お前利用して、俺がお前の家から消されるのが目に見える』


そうきたか。


『私がいいって言っている』


だったら、私の、あの家での立場で交渉すればいい

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