第30話
「愁、」
「リナとせっかくの日にこんな話良くねぇよな」
大雑把に優しく私の頭を愁は撫でる。
その優しさに、どうにか縋りたくなってしまう。
どこかで、色々なことから逃げて逃げたくて仕方ない自分がいるのは分かってる。
その度に、愁がどうにか逃げなくてもいいように楽な道をこうして作ってくれてるのも分かってる。
なんのために、高校に通い出したのか、もう一度私は考えなければいけない、
藍達とダウトの抗争に巻き込まれたら高校所でもなくなるかもしれない、怪我などしたらどうする、
あの人たちやアイツと誓ったあの約束が果たせなくなる
愁はそれが言いたかったのかもしれない。
それでも…今は、自己中で強引な奴らの行く末は見届けたいと思ってしまう。
愁の言う通り、私はなにか変わったのか。
「行くぞ、りな」
何事もなかったかのように切り替える愁に追うようにして、そんな事を考えながら私も車から出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます