第27話

最大規模組織だからなのか、目立った活動は控えていると聞いたことがある。


中でもNiGHTSは、幹部陣を筆頭にあまり姿を現さないで有名だ。

そのせいで、得られる情報が数少ない。

だから、色んな噂が立てられている。

ーーNiGHTSの総長は身長2メートル越えの大男だ

ーー新入りには拳100発耐える荒行がある

ーーNiGHTSというチーム自体実は存在しない

など、どれもくだらない噂話にしかすぎないが。


私が知っているのはそれだけで。

総長が大男だろうと、とんでもない荒行があろうと、チーム自体存在してないだろうと、どうでもいい。



それでも、少しだけ。

知ってみたいことも、ある。


今度は、私が探るように天音と稜に目線を配る。



「この学校の全日制で、NiGHTSの総長がキングって事?」


「そーいうこと」


「天音と稜は、NiGHTSなの」


恐らく、


「まさか。俺、自由でいたいし」

「餓鬼のすることには興味ねぇな」


違う。


「里奈子、俺タイプだし。特別に教えといてあげるよ」

さりげなく、私の髪を少しだけ掬うとそっと唇を落とす。

その動作が妙に色っぽい。

そのまま上目遣いで静かに笑みを浮かべる。

「アイツらに気をつけて」

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