待ってろよ!
月曜日。
「送り狼にならなかったか?」
亘先輩がからかうように耳打ちしてきた。僕は少したじろいで、
「え、えっと……。未遂、でしょうか?」
と返した。
「え!? マジかよ!?」
あの蘭に!? という顔で亘先輩が言ってくる。
「意外に可愛いところもありますよ」
そう言った僕に、亘先輩は信じられないというように笑った。
「蘭にねえ」
「落としにかかるので、邪魔しないでくださいね」
僕は亘先輩に釘を刺した。
「しないしない」
亘先輩は笑ってそう言ったけれど、分からない。ライバルが増えないうちに彼女にしなければ。それも来年、蘭先輩が卒業して結婚させられないうちに。そして、僕が蘭先輩をもらいに行く。決意を新たにしていると、
「おはよう~」
金曜の夜とは別人の、普段の蘭先輩が研究室に入ってきた。
「おはようございます!」
僕は満面の笑みで蘭先輩に挨拶をした。
蘭先輩は僕を見て、一瞬瞳をうろうろとさせた。その頬がほんのり赤かった。
そんな蘭先輩を僕はもう可愛いとしか思えなくなっている。
待ってろよ、蘭先輩。きっとその心を掴んでみせる!
了
落恋~恋は突然に~ 天音 花香 @hanaka-amane
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます