第30話

「・・俺、初めて同性を綺麗だと思ってしまった。」


休憩からアタシの前にデスクがある二歳先輩の藤代さんが、座るなり意味深な事を言った。



「ふぅん、藤代先輩はオトコが好きなんですか、残念ですよ・・・下、受けは萌えますけど。」



藤代先輩はビックリして真理に向かってメロンパンを投げる。




「誰がオトコに惚れたって言ったよ!?綺麗って言ったんだ。」



「・・そんな、綺麗つったら滝川先生しかいないじゃん、先輩より年下ですよ?アタシとはなと同年です。」



真理はメロンパンを食べ始める。



「胃薬貰いに初めて医務室行って思ったんだよ。だけどそんな若いのに係長助けたんだな・・顔も良い、医師としての腕も良いと、なんか妬みを通り越して羨ましい。」



「でもあの人、ココの女子社員敵にまわしてますよ?ほら。」



そう言ってアタシと藤代先輩に社内メールを見せる。

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