第26話

パウダールームから一課に戻ると、フロアは騒然としていた。



え!?何ごと・・・


アタシは人だかりに駆け寄る。


誰かが倒れてる



誰かが心臓マッサージしてる・・・



「はな!」



すぐ隣で真理の声がした。


「真理!?何が起こったの!?」



「かっ係長が突然倒れてっ・・さっき滝川先生がAEDかけたんだけどっ・・・」

そのうち情報を聞いた人達が集まってきて、その拍子にアタシは前に押し出された。



マッサージをしている彼と目が合う、すると彼はポケットからケイタイを取り出してアタシに投げる、



「AMIでCPRの患者を搬送するって大学に連絡して!」



「はっはいっ・・・!」



アタシは急いで彼のケイタイに登録されている大学病院に連絡をとった。



彼は救急車が来ても心臓マッサージを続けていた。




彼が係長を助ける姿は、とても綺麗だった。


そして彼に課せられた医師という責務を神々しく感じた。



アタシは滝川君と出会ってマイナスだと感じていたけど、今は彼を尊敬している自分がいた。

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