第26話
それから呼び方が「由希先輩」に変わったことで、より一層わたしと凌汰の見えない壁を感じて、
ますます想いを伝えることができなくなった。
近くにいても、凌汰にとってわたしは、悠哉の同級生の一人でしかない。
苦しかった。
耐えられなかった。
だから、わたしは────
「ずっと好きだった。付き合ってほしい」
「……いいよ」
───逃げたんだ。
わたしを「好き」だと言ってくれた、悠哉に。
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