第4章

第28話

海生が筆を走らせてから、一時間が過ぎた。


「…出来た」


「ましろ、お疲れ様」


「出来た絵、見ても良い…?」


「良いよ」



どんな風に私を描いてくれたのか…少し緊張した。



キャンバスに描かれた絵が私の視界に入る。



そのキャンバスには、美しい私の姿が描かれていた。



「海生の目には、私がこう見えてるんだね」


「えっ…?似てなかった…かな…?」



海生が不安気な表情を浮かべた。



「そんな事ないけど…私、こんなに綺麗じゃないよ…?」



俺は、その言葉を否定する様に、ましろを抱き締めた。

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