第30話

睨みを効かせたのはほんの数秒。すぐにチャラ男からすっと手を離した。




にっこりと笑って口を開く。






「で、理事長室どこ?」




「………………」




「職員室の横」






いきなり問う私に困惑するチャラ男をよそに、無言を決めてた金髪男が答えてくれた。





「そっか。あ、金髪!さっきは助けてくれてありがとなー」




職員室はすぐそこ。その横に理事長室。さっさと挨拶を済ませようと歩を進めるが、「おい」と呼び止められた。





「金髪じゃねぇ。瀬川幸だ」




「私は神崎華!じゃあなー幸!」





最後に手を振って理事長室に向かう。





私の態度に二人とも硬直してたなんて知るよしもなかった。

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