第30話
「どこいくの。」
アタシが駅の方へ歩き始めると若月君はついて来る。
「帰るの。」
「あの彼の所に?」
そう言われてアタシは立ち止る。
そして振り向く。
「アタシがどこに行こうと自由でしょ?若月君こそさっきの彼女はどうしたの。」
「……気になる?」
彼はまるでアタシの心を探るように見た。
「べ、別に。」
「じゃあ言わない。」
は?
何言ってるの彼は。
「別にきょ、興味なんてないし。」
「そう?俺は興味あるよ、綺と彼がね。」
!?
彼のそんな意味深な言葉にアタシはその場から動けずにいた。
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