第26話

アタシは反対車線に停車しているタクシーの元へ向かう。


ドアが開くとそれに乗った。


「あの櫻……わっ!?、」


え、何が起こったの!?


運転手に帰りの住所を言っていたら誰かが無理矢理乗車してきた。


「運転手さん、二駅向こうで停めてください。」



「了解しました。」


タクシーは動き出す。


アタシは呆気に取られていた。



「……若月君!?なんでっ、」


無理矢理乗車してしてきたのはさっきお店で偶然会った彼だった。


「あ……疲れた。」


彼はアタシの声なんてスルーな感じで座席にもたれるとネクタイを緩めた。



さっきまでの酔いなんて吹っ飛んでしまった。

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