29・産婦人科に初来院です

第29話

「華ちゃん、プレゼン練り直しなんだよね?」

「はい。再度プレゼンをって言われたので…」


再度プレゼンをしないといけないから練り直さないといけない。


「ならこれからどうかな?」


野山さんと一緒にプレゼンを練り直すなんて先輩のノウハウを盗めるから凄く嬉しいお誘いだから受けたい!!


「野山さん、ごめんなさい」

「どうかした?華ちゃん」

「私、半休取ってまして…」

「半休?何でまた…」


病院・・に行くなんて言ったら心配かけちゃうから本当の事は黙っていよう。


「ちよっと用事が出来まして…」

「そう。残念だ」


残念がってくれた野山さんは本当に優しい。

この人を好きになれたら…?

いいや、それは無いね。


「じゃあ、華ちゃん気をつけてね」

「はい、ありがとうございます」


野山さんは先に珈琲を飲み終えて先に戻った。


「はぁー‥気持ち悪かった…」


本当は気持ち悪くて吐きそうなのを我慢していた。

ムカムカして気持ち悪くて本当にどうしちゃったんだろうと…。


「沢井ここに居たのか!早く行け」

「部長。まだ時間じゃありません」

「良い。俺が許可する!」


佳彦はどうしてこんなに病院・・を急かすのだろうか。

ただ単に不調なだけなのに。


「お言葉に甘えて行って来ます」

「そうしろ!報告はlimeしてくれ」

「はい。報告します」


自分のデスクに戻って鞄を持っていると智子と会い他愛も無い話をする。


「あれっ?華、帰るの?」

「うん。半休取ってるから」

「そうなんだ。なら私も取れば良かった」

「二人で取ったら怪しまれる」

「確かに。明日ね〜」


手を振り自分の名前の所に半休・・を書いて病院に向かう。


「ムカムカしてるから内科かしら?婦人科?」


今更病院を何処かが決めかねてる時にフッと思い出した。


「私、佳彦と…」


あの時イチャした事。

付けたかどうか覚えてないけどまさか?


「まさかね…」


そう思いながらお腹に手をあてていた。


「!!」


だから佳彦は病院をあれ程進めていた?

吐くって…悪阻の事?

じゃあ、このムカムカは悪阻??


「産婦人科に…行ってみますか…」


ドキドキと頭が真っ白になりながら家から近い

産婦人科を目指す。




「初めてですね。この問診表に記入して書き終えたらお持ち下さい」

「はい」


緊張で手が震えますよ…

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