27・戻らない…よ…

第27話

「3.4日って言ってまだお戻りにならない…」


リンが居ても居なくても部屋を毎日掃除をしていたティスは、窓を拭きながらボソッと呟いてしまった。


「そうね。遅いわね」

「!!」


後ろから声がかけられて慌てて振り向いたら

ハイアが聞いていた。


「ハイア!今の聞いていた?」

「当たり前よ!だって3.4日って言っていたのに

もう10日過ぎよ!」


ハイアも怒っていた。

ハイアの場合、ヤリーが約束を破ってる事に

腹が立っていたがティスは、ハイアとヤリーが

恋人同士と知らない。


「ヤリー…ヤリー様が居ないと進む業務も進まない!」

「そうね。ヤリー様もリン様専属の従者だから

一緒に行ってるんだもんね」


特例としてここ、コウラサン国の執事も任されていて今は代理がヤリーの代わりにやっている。


「もおっ!締め上げるんだから!」

「まぁ、まぁ、ハイア。ヤリー様もきっと早く帰りたいと思ってるわ」

「そうだと良いけど」


フンッと怒りながら窓拭きしながら窓の外を眺めていた。


(ハイアは、ヤリー様が好きな気がする。ヤリー様もカッコいいもんね)


ティスはクスッと小さく笑って心に留めて心を

込めて、窓を拭いていくティス。

リンに喜んでくれる顔が見たい一心で窓をその他を綺麗にしていくティス。


「ティス、次の部屋行くよー」

「あっ!うん」


綺麗になったリンの部屋を後にして他の部屋も綺麗にしていく。

まだまだ、やる事は沢山ある。

リンがフッとした瞬間に“恋しい”と“会いたい”と

思うけど、頭を振って“それ”を振り払う。


「きゃあ!」

「あらっ、ごめんなさい。見えなかったわ」

「……」


リンが居なく、モウ王子もハイアも居ないと分かるとティスに意地悪をしていく。


「…我が物、顔で歩かないでくれる?」

「……すいません」


ティスは、ぶつかってそのまま床に座り込んでいて立ち上がった。


「なんにも言えないの?カルティロス王子はね、縁談・・の為にココを離れてるのよ?」

「!!」


ぶつかってきた侍女から衝撃な言葉が出てきて

ティスは、頭が真っ白になった。


「あんたなんか遊びよ!」

「ちょっと、アンタ!」


ハイアが戻ってきてぶつかった侍女は、去って行った。


「ティス!怪我はない?」


怪我より聞きたい事があるの!ハイア!!

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