26・この件だけは言わない事とする

第26話

「はあっ?なにそれ!!」

「ハイア、怒りすぎよっ。眉間にしわがよるわ」

「なんで怒らないのよ!」


自分の部屋に向かう途中にハイアと会ってゴミまみれのティスを見て唖然としていてこと顛末てんまつを話したらハイアは怒っている。


「モウさんがリン王子に言うからとりあえず目は瞑るけど許せん!!」

「えっ?待って今何て言った?」


ティスは、ハイアが喋った言葉に青ざめたから

ハイアはもう一回同じ事を言ったらティスが震え出した。


「ティス?大丈夫?どうしたの?」

「お願い、リン様には内緒にしておいて!私、

怪我してないもの。お願い……」

「ティス!“怪我しました”では遅いのよ?」

「それでも、リン様には黙っていて…お願い」


ティスの懇願こんがんの願いにハイアは頷くしかなく、休憩時間にモウの所に行って先程の事を言いに行く。


「しかしなぁー…。ハイアはどう思う?」

「私は、リン王子に言った方が良いと思うんだけどティスがそれを怖がってる」


ハイアは、更に続ける。


「でも、ティスの友人としてリン王子には言ってほしくない」

「…分かった。この件に関しては俺の心に留めておく」

「ありがとう、モウさん」


この件はモウの心に留めておく事になった。


「でも、リンにバレた時を考えておけよ」

「…そうね。後はヤリーだわ」

「あぁ、勘のいいヤツが居たー!!」


モウはその名前を聞いて頭を抱えた。


「ハイア、ヤリーに怪しまれるなよ!」

「大丈夫よ!」

「いやっ、全然大丈夫よ!感が全く無い」


更に頭を抱えるモウ。


「とりあえず、モウさん!よろしくね」

「……あぁっ…」


ハイアは、そう言ってモウの部屋から出て行った。


「はぁー…、なんでこんな時に縁談・・なんだかねー…。リン」


モウは、隣国に続いている空を見上げて呟いた。



「ティス?ティス?」

「ハイア、さっきはごめんなさい。取り乱してしまって…」


休憩時間が終わったから午後の仕事をしていた

ティスを見つけたハイアにティスは、謝った。


「いいのよ。さっきのはモウさんに言ってきたからね!この件だけはリン王子に言わないってね」

「ああっ、ありがとう!ハイア!大好きよ」

「あらっ。私も大好きよ、ティス」


口止めしといて本当に良かったのか分からないけど笑顔が見れた事だは良かったと思う事にした

ハイアだった。

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