25・側にいなくても…
第25話
「きゃあ!」
廊下を歩いていたら後ろからゴミをかけられた。
「ここにゴミ箱があったわ。あらっ?違った?」
「ゴミ箱よ〜。だって臭いし…」
リンのお抱え侍女になってるティスに恨みを
募っていた他の侍女は今、リンが居ない間に
ティスに意地悪をしていた。
「ランティス・ヒョウ!また貴女なのね!急いで片付けなさい!!」
「はい。申し訳ありません!!」
侍女長がたまたま通りかかってティスは注意される。
「侍女長?どうしてこうなってるか追求は?」
「クッシナン王子様!お見苦しい物を申し訳ありません」
「申し訳ありません…」
ゴミまみれのティスは慌てて頭を下げクッシナン王子は、黙ってティスの側に行き手を差し伸べる。
「どうぞ、お嬢様?」
「クッシナン王子様が汚れます!それに立ち上がれ…」
「お嬢様?どうぞ」
ここまでされ拒否したら不敬になるので手を取るティス。
「ありがとうございます」
「さて、侍女長?どう言う事かな?報告ないよね?」
「申し訳ございません、クッシナン王子」
ガタガタ震えていてゴミをぶち撒けた侍女も震えていた。
「クッシナン王子!私なら大丈夫です!怪我をした訳ではありませんし…」
「私は基本“大丈夫”は信じない」
「!!」
その言葉は聞いた事があった。
リンと2回目に会った時に「基本“大丈夫”は信じない」と言われた事を思い出していてここでも守られてると感じたティス。
「その言葉だけでも平気です。クッシナン王子」
「ティス、とりあえず着替えておいで」
「はい。失礼します」
ティスは、王子から離れて着替えをしに行った。
「さて…侍女長?どう言う事か説明してくれる?」
「はい、クッシナン王子様。一部の侍女で
ランティス・ヒョウを虐める事がありまして」
「へぇ〜。それを黙っていた訳かい?」
「確実な証拠が無かったので…」
「とりあえず、侍女長は詳しい話を聞くよ」
「はい、申し訳ありませんでした」
侍女長は、兵士に連れて行かれてゴミをぶち撒けた侍女の近くに寄ったクッシナン王子は笑った。
「隣国の王子のカルティロスが知ったらどうなるか分かるよね?」
「申し訳ございませんでした!」
クッシナン王子はその場を去り歩いて行った。
「リンに説明すんの面倒くせぇー」
頭を抱えたクッシナン王子だった。
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