5・いよいよ城へ向かいます?
第5話
ランティスに城の給仕の迎えが来るまで家の事をしてると姉に呼ばれて姉の側まで寄り床に座って頭を床まで付けている。
「お茶がぬるくってどうしましょう。そうだ!
丁度いい所がありまして。ねぇ、お義母様、お父様?」
「あらっ、いいじゃないの?丁度雑巾もあるから床も濡れないでしょ?」
父は沈黙を貫き、姉・ラリーネと義母が2人で茶をランティスの頭に茶を浴びさせて全身濡れ、床も濡れる。
「ランティス!床がまた濡れてるわ!」
「本当よ!ランティス!早く拭きなさい」
「申し訳ありません!」
2人の足元で床を拭いていると頭に重みがのしかかる。
「うっ…」
「ランティス?私の靴がお茶で汚れたの。拭きなさい」
「…はい」
ランティスは、自分の服の濡れてない所を見つけてラリーネの靴を拭く。
「やだっ!汚いっ!余計汚く汚れちゃったわ」
「ランティス!ラリーネに謝りなさい!!」
「申し訳ありませんでした。お姉様」
「アンタに“お姉様”って呼ばれると
「はい。ラリーネ様」
頭をグリグリと踏つけられても口答えをしてはいけない。
「ランティス様」
「ランティスに“様”は要らないわ!何用なの?」
使用人がランティスを呼びに来たけどランティスの今やられている行動に目を背ける。
「お迎えが参りました」
「もうなの?早くないかしら?」
義母と姉はまだ先だと思っていたらしく発散する者がいなくなってつまらない態度を取る。
「…ラリーネ様、降ろしていただけますか?」
「まだ、踏んだままだったわ。ゴミだと思った」
「……」
髪の毛もグチャグチャになってボサボサのランティスに使用人は目を逸らす。
「お父様、お義母様、ラリーネ様。お元気で」
「あらっ。給仕の仕事が終わったら帰ってくるのよ?」
「えっ?帰ってくる?」
ランティスは、てっきり泊まり込みだと思っていたけど義母の言葉に凍りついた。
給仕の辛いだろう仕事をしてまたこの家に帰ってくる…自分は耐えられるだろうか…と目の前が真っ暗になったけど気をしっかり持つ事にした。
「はい。分かりました」
そう言って部屋から出て着替えて誰も見送りに来ない迎えの馬車に向かった。
「また、帰ってくるのね…」
「帰らないよ。この家には」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます