第27話

「…ここが聖歌の家?」


「…うん」


長くて、短い時間をかけて、私達は私の家に着いた


家の前に来ると、優也の手はゆっくりと私の手から離れた


…もっと繋いでいたかった―――


「…じゃあ、俺はこれで」


そう言って優也は、来た道を戻ろうと、踵を返した



…本当は、もっと一緒にいたい


きっと、イケてる子なら、『帰りたくない!』とか『もっと一緒にいたい!』とか言うんだろう


でも、私にはそれが出来なかった




……こういう時、もう少し、素直に甘えられていたら未来は変わっていたのかな―――?

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